ペーパーリンスはコーヒーの味わいに影響を与えるのだろうか

ペーパーリンスはコーヒーの味わいに影響を与えるのだろうか

ハンドドリップを行う前の工程、ペーパーフィルターを湿らせる作業。主な目的は、「紙の臭いを落とすため。」とか「器具を温めて抽出を安定させるため。」と言われている。

私はペーパーリンス、行ってきませんでした。というのも、ペーパーフィルターは臭いが気にならないものを使用しているし、ドリッパーは樹脂製(熱伝導率の低いもの)を使用しているから必要ないだろう、という考えのもとリンスしていませんでした。

ただ、最近リンスのする・しないでコーヒーの味わいに違いが出るのでは?と改めて考える機会がありまして、、、。せっかくの機会なので、コーヒーの味わいに違いが現れるのか、現れるならその理由を考えようかなと。自分で飲む一杯をより美味しく、コーヒーを提供するお客さんにも納得してもらえる一杯を淹れたいですからね。

自分なりの考えと、文献・論文を拝見して綴っていきます。

ペーパーリンスはコーヒーの味わいに影響を与えるのだろうか

ハンドドリップを行う前の工程、ペーパーフィルターを湿らせる作業。主な目的は、「紙の臭いを落とすため。」とか「器具を温めて抽出を安定させるため。」と言われている。私はペーパーリンス、行ってきませんでした。というのも、ペーパーフィルターは臭いが気にならないものを使用しているし、ドリッパーは樹脂製(熱伝導率の低いもの)を使用しているから必要ないだろう、という考えのもとリンスしていませんでした。ただ、最近リンスのするしないでコーヒーの味わいに違いが出るのでは?と考える機会がありまして、、、。せっかくの機会なので、コーヒーの味わいに違いが現れるのか、現れるならその理由を考えようかなと。自分で飲む一杯をより美味しく、コーヒーを提供するお客さんにも納得してもらえる一杯を淹れたいですからね。

自分なりの考えと、文献・論文を拝見して綴っていきます。


PROFILE

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フィルターをリンスするだけ。味が変わるコーヒーの面白さ。

フィルターをリンスするだけ。味が変わるコーヒーの面白さ。

今回のコラム見出し、「ペーパーリンスはコーヒーの味わいに影響を与えるのだろうか?」と、疑問を呈した文にしているけれど、実はすでに味の違いを感じてまして。ただ、それが「なんとなーく両者で味が違うなー、、、」という上手く言語化できない、けれども引っかかりを感じている状態なんです。

なぜそのような結果になるのか、その過程を自分の中で消化して、それを一杯のカップに落とし込みたいわけです。バリスタやらせていただいている身ですし、疑問を疑問のまま放置するのは頭がモヤモヤしますからね。

Abacaフィルター。いつも使ってるやつです。
リンス中。ドリッパーはV60。
かれこれ5年は使っているベテランドリッパー。
Abacaフィルター。いつも使ってるやつです。
リンス中。ドリッパーはV60。
かれこれ5年は使っているベテランドリッパー。

ハンドドリップなので、お湯の注ぎ方による味のブレが出てしまいますが悪しからず。それなりの数、ハンドドリップでコーヒーを提供しているので再現性はそれなりにあると自負してます。この時点でブレが大きいと比較の有効性が皆無なので、気合を!入れて!抽出していきます!

リンスありとリンスなしで抽出。ケトルはFellowです。
リンスありとリンスなしで抽出。ケトルはFellowです。

浅煎りのケニアで複数回淹れて飲み比べ。風味の違いで顕著に目立つのは、酸の強度とコク(ボディ感)の違いですね。

リンスありのほうが酸味の存在感があります。苦みや甘み、渋みなど様々な味わいの中でも主役は酸味といった具合です。味わい全体はスッキリとした印象ですね。

一方、リンスなしでも酸味は感じられますが、風味を形成する大多数の中の1つ、主役を際立たせる助演みたいなものでしょうか。ただ、味わい全体ではこちらのほうが深みというのか、いわゆるコクがある気がしてます。

美味いなーと思いつつ、自分で淹れるより人に淹れてもらった方が美味いなーと。技術どうこうの話ではなく「人に淹れてもらった」てとこが大事。

と、このように意識して両者を飲み比べることで「味に違いが出てそうだなー、、、。」というなんとなく感じていた違いを、明確に差があるという確信に変えることができました。やっぱりこういった場を設けるの、大事。現場百遍ってやつです。こうした経験の積み重ねが、カップクオリティを上げていくわけですしね。

さて、さらにここから「この結果になった理由」を考えてみます。もうちょっと掘り下げて、記憶のタンスにしまう作業です。

ペーパーリンスをすること・しないことで違いが出た理由ですが、私の持ちうる知識では2つ予想できます。1つ目、酸味の成分量が増加したこと。リンスすることでペーパーフィルターが水分を含んだ状態で抽出が開始されます。

リンス有:抽出後の写真
うーん。白いですねー。
リンス無:抽出後の写真
とんでもなく茶色だ、、

一目瞭然ですね。

リンスなしの場合、コーヒーの成分をペーパーに吸われているのでは?と思える写真です。

そして、コーヒー成分のうち酸味の成分は移動速度が速いのです。コーヒー粉にお湯が接触すると、すぐにお湯へと移動したがるせっかちなやつです。だから、抽出初期にお湯へと住処を移した酸味成分は乾いたペーパーに吸われているのでは?と予想してます。

反対に移動の遅い苦み成分などは、ペーパーフィルターが飽和状態のときに移動を開始するわけで、吸着されることなくカップへと落ちていくのではないかな、と。だから、リンスありでは酸をしっかりと感じられる液体になったのではないかと思います。

スケールはHARIOポラリスです。

続いて2つ目、コーヒーオイル(脂質)抽出量の違いです。脂質には酸味の抑制作用があるようでして。それだけじゃなくて、脂質はヒトにとって好ましい味を増強、そうでない味を抑制する力があるんですね。だから、リンスする・しないで酸の強度に差があると感じたのは、抽出液中の脂質の量に違いがあったからでは?という考えにたどり着くわけです。

そこでもう一つの疑問が沸きます。リンスする・しないで抽出液の脂質量に違いがあるのか?と。

わ、わからぬ...。

そもそも、ペーパーフィルターを使用することで、脂質のほとんどはカットされます。カップに落ちることなくフィルターやコーヒー粉に残された状態になるはずです。脂質はほとんど水に溶けない性質ですからね。

それをリンスのする・しないというだけで、ヒトの舌が味わいの変化を感じるほど違いが生まれるのか。

もし違いが生まれるのなら、リンスなしの抽出液の酸味が目立たない、とかちょいとコクを感じるとか、、、その辺りの疑問を解決する光になるんですけどね。

ふつくしい抽出。見惚れちゃうね。
ふつくしい抽出。見惚れちゃうね。

ここまでつらつら書き連ねましたが、大事なのはリンスすることで酸味の味わいを強調できること、リンスしなければ酸味成分を控えめにできること。加えてコクにも違いを生み出せるかも?ということ。

豆の個性に応じて使い分けていければいいなー、、、なんて思ってます。

あまり論理的なお話を展開できていませんが、「私は学者じゃないので、、、」という言い訳とともに今回は終わります。


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