ハンドドリップの味わいの変化を分解する

「コーヒーの成分は、前半に美味しい成分が出て後半になるほど雑味成分が出てくる。」

「ハンドドリップは辞め時が大切。最後の方は不味い味がする。」

ネットの海を彷徨ったり、コーヒー本を読んでみるとこんな感じに書かれているのを目にする。

たくさんの読み物に書かれているから事実なんだろう。

その文章を幾度となく目にしてきて「そうなんだろうな。」と思考停止でコーヒーを淹れてきた。だけどこのままでは頭でっかちになる。

コーヒーは嗜好品。人の数だけ好みは存在する。文字から学ぶだけでなく自身の舌で確かめてみるべきだ、そう思った。

実際に自らの舌で確認して、ハンドドリップにおける味わいの抽出のされ方を理解する。そのうえでハンドドリップの抽出レシピに手を加えられるバリスタを目指したい。

「ハンドドリップの最初の方には美味しい成分が凝縮されていて、後半は本当に薄い・不味いのか」

これを私自身の舌で確認してみる。もちろん濃度計を使って定量的にも数字をはじき出す。

数字に起こすと安心するのは理系だったからかもしれない。

ただただ「とってもいい香りがする。旨味が凝縮されていて格別の味だ!」なんて私の定性評価のみでキーボードを叩くよりも「濃度は○パーセントで、確かに数値通りの軽い口当たりに明るい酸味が感じられる!」なんて、数値を交えたほうがこのコラムを読んでいる人も納得しやすいだろうという打算もある。

さっそくハンドドリップでコーヒーを抽出する。

50gを4回、合計200gの抽出液を取り出す。50g抽出するごとに違うグラスに移して、4つのハンドドリップ工程を分解した抽出液が出来上がる。

写真左の抽出液から順に1回目の50g注湯、2回目、、、となっている。

グラスをシャッフルして、問「注湯順の若いものから並べ替えなさい」と出題されてもわかるくらいに目視で違いを認識できる。

以下、濃度計による数値化の結果と個人的な風味の感想。定性評価は参考程度で。

  1. 濃すぎて飲めない。味が暴力的に濃すぎてフレーバーを感じる余裕がない。後味も強烈で刺々しい
  2. 飲みやすい。ライトボディでこのままでも飲める味わい。濃度のわりには後味がしっかり残る印象
  3. 2回目と比較して急激に薄くなった。フレーバーは感じるものの味は感じられない。後味に若干の雑味
  4. 3回目とそれほど変わらない。しいて言えば舌に残る雑味・渋みが強調された印象

「ハンドドリップの最初の方には美味しい成分が凝縮されていて、後半は薄い・不味いのか」

これを私自身の舌で確かめて、ハンドドリップ抽出の理解を深めるために検証した。

私の答としては、「コーヒーに含まれる多くの成分は前半の抽出で水に移動する。それがコーヒーの味わいの輪郭を決める。抽出後半、味は相当薄いけどフレーバーは感じられる。雑味渋みは感じるけど、スペシャルティコーヒーに関して言えばそれほど酷い不味さではなかった。」だ。

コモディティコーヒーだとまた違った結果になるかもしれない。スペシャルティコーヒーよりもフレーバーが弱かったり欠点豆が多くて雑味が多かったり。レシピが変われば成分の移動の仕方が変わるかもしれない、豆そのものが変われば、、、とあらゆる「かもしれない。」を頭の片隅に留め置いて今回の結果をもとにレシピを組み立てられるようにしたい。

「注ぐ回数は〇回で抽出する。」

「最後の注湯はゆっくり丁寧に注ぐ。」

レシピの文中で見かけることがある文字列。それもハンドドリップを分解すれば意図をある程度察せられる。

意図を察することができればそこから自分好みにアレンジもできる。いろいろな銘柄・ロースターの豆を飲んでその豆に合ったレシピをデザインする。

それが奥深いハンドドリップという淹れ方の楽しみ方でもあるし毎日の一杯がより一層美味しくなるならそれに越したことはない。

「コーヒーの成分は、前半に美味しい成分が出て後半になるほど雑味成分が出てくる。」

「ハンドドリップは辞め時が大切。最後の方は不味い味がする。」

ネットの海を彷徨ったり、コーヒー本を読んでみるとこんな感じに書かれているのを目にする。

たくさんの読み物に書かれているから事実なんだろう。

その文章を幾度となく目にしてきて「そうなんだろうな。」と思考停止でコーヒーを淹れてきた。だけどこのままでは頭でっかちになる。

コーヒーは嗜好品。人の数だけ好みは存在する。文字から学ぶだけでなく自身の舌で確かめてみるべきだ、そう思った。

実際に自らの舌で確認して、ハンドドリップにおける味わいの抽出のされ方を理解する。そのうえでハンドドリップの抽出レシピに手を加えられるバリスタを目指したい。

「ハンドドリップの最初の方には美味しい成分が凝縮されていて、後半は本当に薄い・不味いのか」

これを私自身の舌で確認してみる。もちろん濃度計を使って定量的にも数字をはじき出す。

数字に起こすと安心するのは理系だったからかもしれない。

ただただ「とってもいい香りがする。旨味が凝縮されていて格別の味だ!」なんて私の定性評価のみでキーボードを叩くよりも「濃度は○パーセントで、確かに数値通りの軽い口当たりに明るい酸味が感じられる!」なんて、数値を交えたほうがこのコラムを読んでいる人も納得しやすいだろうという打算もある。

さっそくハンドドリップでコーヒーを抽出する。

50gを4回、合計200gの抽出液を取り出す。50g抽出するごとに違うグラスに移して、4つのハンドドリップ工程を分解した抽出液が出来上がる。

写真左の抽出液から順に1回目の50g注湯、2回目、、、となっている。

グラスをシャッフルして、問「注湯順の若いものから並べ替えなさい」と出題されてもわかるくらいに目視で違いを認識できる。

以下、濃度計による数値化の結果と個人的な風味の感想。定性評価は参考程度で。

  1. 濃すぎて飲めない。味が暴力的に濃すぎてフレーバーを感じる余裕がない。後味も強烈で刺々しい
  2. 飲みやすい。ライトボディでこのままでも飲める味わい。濃度のわりには後味がしっかり残る印象
  3. 2回目と比較して急激に薄くなった。フレーバーは感じるものの味は感じられない。後味に若干の雑味
  4. 3回目とそれほど変わらない。しいて言えば舌に残る雑味・渋みが強調された印象

「ハンドドリップの最初の方には美味しい成分が凝縮されていて、後半は薄い・不味いのか」

これを私自身の舌で確かめて、ハンドドリップ抽出の理解を深めるために検証した。

私の答としては、「コーヒーに含まれる多くの成分は前半の抽出で水に移動する。それがコーヒーの味わいの輪郭を決める。抽出後半、味は相当薄いけどフレーバーは感じられる。雑味渋みは感じるけど、スペシャルティコーヒーに関して言えばそれほど酷い不味さではなかった。」だ。

コモディティコーヒーだとまた違った結果になるかもしれない。スペシャルティコーヒーよりもフレーバーが弱かったり欠点豆が多くて雑味が多かったり。レシピが変われば成分の移動の仕方が変わるかもしれない、豆そのものが変われば、、、とあらゆる「かもしれない。」を頭の片隅に留め置いて今回の結果をもとにレシピを組み立てられるようにしたい。

「注ぐ回数は〇回で抽出する。」

「最後の注湯はゆっくり丁寧に注ぐ。」

レシピの文中で見かけることがある文字列。それもハンドドリップを分解すれば意図をある程度察せられる。

意図を察することができればそこから自分好みにアレンジもできる。いろいろな銘柄・ロースターの豆を飲んでその豆に合ったレシピをデザインする。

それが奥深いハンドドリップという淹れ方の楽しみ方でもあるし毎日の一杯がより一層美味しくなるならそれに越したことはない。

ハンドドリップの抽出原理、味の変え方を多少なりとも知識として持っていればレシピにほんの少し手を加えて好みの一杯を落とせる。

次の日の一杯がより美味しくなりますように。

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