
お湯の落としどころ。
中心注ぎと全体注ぎ、味の違いを比較する
ハンドドリップでお湯を注ぐとき、どこを狙って注いでいますか。粉の中心に落とすのか、端まで満遍なく注ぐのか。どちらもよく見るやり方だけど、実際のところ味はどれくらい変わるのかを深く考えないまま、抽出の一動作として流れていくことが多い気がします。注ぎ方で〈味が変わる〉とはわかっていても、その〈程度〉が曖昧なままだと、レシピに組み込むのも難しいです。ということで、今回は中心に注ぐ場合と粉全体に注ぐ場合。この2つの注ぎ方で 味わいの違いを比べてみました。
photo&text : Rui Shibata
さて、抽出の条件について。もちろん〈注ぐ位置〉以外はすべて同じ条件で進めていきます。
使用するコーヒー豆の量は16g、お湯量は240gです。
一方は中心のみに注ぎ、もう一方は全体にお湯を注ぎながら抽出しました。お湯の注ぎはじめから、注ぎ終わりまでレシピはまったく同じです。飲み比べた印象ですが…
まっっったく違います。
中心に注いだほうは、かなり軽い。よく言えばすっきりとしてごくごく飲める味わいです。ですが、コーヒーの持つポテンシャルを引き出しきれていない印象で、味わいに芯がないといいますか。未抽出な感じです。
全体に注いだほうは、中心注ぎと比べるとどっしりとしています。フレーバーも味も輪郭がはっきりとしていますね。味わいに厚みがある印象です。
「こんなに違いが出るのか!」と思うくらいに両者に差を感じます。
さて、味わいにはっきりと違いが出ることがわかったところで、定量評価も行ってみます。使うのは「ATAGO」の濃度計。
このように、私の舌による定性的な評価でも、濃度計による定量的な評価でも、はっきりと差が出ました。〈注ぐ位置で味の出方は変わる〉ということですね。理由については、お湯が当たる部分と当たらない部分の抽出差や、注ぎ方の違いによる撹拌のされ方、お湯を落とす位置のコーヒーベッドの厚みなど、さまざまな要因が考えられます。ただ、細かな考察はここではいったん置いておきまして…。
大事なのは、〈中心に注ぐと抽出はやや控えめに、全体に注ぐと抽出効率は高くなる〉という傾向が見えたこと。これを知っておくだけでも、抽出中の味のコントロールに役立ちそうです。
実際、レシピによっては前半は全体に注ぎ、後半は中心に静かに落とす、という組み立てを見ますからね。後半に中心だけへ落とすのは、過度な抽出を避けて雑味を抑えるため。今回の結果を見ると、それも理にかなっているように感じます。
注ぎ方ひとつで、味は思った以上に変わりますね。日々の抽出のヒントになれば嬉しいです

– 本日のコーヒー豆 –
Brazil
ブラジルのコーヒーフレーバーといえば、香ばしいナッツ感やほろ苦いチョコレート感。「ドルチェ チョコラーダ」は、その特徴的なフレーバーにこだわり栽培・厳選された豆。ブラジルらしい香ばしさ、ほろ苦いダークチョコレート感を引き出すために中深煎りで焙煎しました。
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2026.02.27
お湯の落としどころ。中心注ぎと全体注ぎ、味の違いを比較する
ハンドドリップでお湯を注ぐとき、どこを狙って注いでいますか。粉の中心に落とすのか、端まで満遍なく注ぐのか。どちらもよく見るやり方だけど、実際のところ味はどれくらい変わるのかを深く考えないまま、抽出の一動作として流れていくことが多い気がします。注ぎ方で〈味が変わる〉とはわかっていても、その〈程度〉が曖昧なままだと、レシピに組み込むのも難しいです。ということで、今回は中心に注ぐ場合と粉全体に注ぐ場合。この2つの注ぎ方で 味わいの違いを比べてみました。
photo&text : Rui Shibata
さて、抽出の条件について。もちろん〈注ぐ位置〉以外はすべて同じ条件で進めていきます。使用するコーヒー豆の量は16g、お湯量は240gです。
一方は中心のみに注ぎ、もう一方は全体にお湯を注ぎながら抽出しました。お湯の注ぎはじめから、注ぎ終わりまでレシピはまったく同じです。飲み比べた印象ですが…
まっっったく違います。
中心に注いだほうは、かなり軽い。よく言えばすっきりとしてごくごく飲める味わいです。ですが、コーヒーの持つポテンシャルを引き出しきれていない印象で、味わいに芯がないといいますか。未抽出な感じです。
全体に注いだほうは、中心注ぎと比べるとどっしりとしています。フレーバーも味も輪郭がはっきりとしていますね。味わいに厚みがある印象です。
「こんなに違いが出るのか!」と思うくらいに両者に差を感じます。
さて、味わいにはっきりと違いが出ることがわかったところで、定量評価も行ってみます。使うのは「ATAGO」の濃度計。
このように、私の舌による定性的な評価でも、濃度計による定量的な評価でも、はっきりと差が出ました。〈注ぐ位置で味の出方は変わる〉ということですね。理由については、お湯が当たる部分と当たらない部分の抽出差や、注ぎ方の違いによる撹拌のされ方、お湯を落とす位置のコーヒーベッドの厚みなど、さまざまな要因が考えられます。ただ、細かな考察はここではいったん置いておきまして…。
大事なのは、〈中心に注ぐと抽出はやや控えめに、全体に注ぐと抽出効率は高くなる〉という傾向が見えたこと。これを知っておくだけでも、抽出中の味のコントロールに役立ちそうです。
実際、レシピによっては前半は全体に注ぎ、後半は中心に静かに落とす、という組み立てを見ますからね。後半に中心だけへ落とすのは、過度な抽出を避けて雑味を抑えるため。今回の結果を見ると、それも理にかなっているように感じます。
注ぎ方ひとつで、味は思った以上に変わりますね。日々の抽出のヒントになれば嬉しいです。
- 本日のコーヒー豆 -


Brazil
ブラジルのコーヒーフレーバーといえば、香ばしいナッツ感やほろ苦いチョコレート感。「ドルチェ チョコラーダ」は、その特徴的なフレーバーにこだわり栽培・厳選された豆。ブラジルらしい香ばしさ、ほろ苦いダークチョコレート感を引き出すために中深煎りで焙煎しました。
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