

Column | 2025.09.16
8月下旬にコーヒーインストラクター1級試験を終えまして…
それなりの金額と時間を投じていたので、試験中にある程度の感触を掴めてホッとしていました。実技はとある理由でひやひやしていましたが、、。
2週間ほど経って合格通知が届いたので、実際に行った対策や実技の様子など、感想を話していこうかなと思います。
まずは筆記試験の方から。
1級試験は2級の範囲も含まれるので勉強範囲はそれなりに多かったです。とはいえ、講習時の「この範囲やけに詳しく説明するな。」みたいな範囲や必ず出題されるであろうポイントを重点的に押さえおけばある程度点数は稼げそうだなーという印象でした。
それに、すべて記述式ではあるんですが、○×問題があったり選択肢がある問題もあったりするので点数は意外と稼げるかなと。
たとえばこんな感じ。
地図上の国名と主な精選方法を答えよ(選択式)
下記の品種が交配、突然変異、ハイブリッド種のうち何に当てはまるのかを答えなさい。また、特徴(メリットとデメリット)を答えなさい。(選択式)
精選方式でスマトラ式を採用している国を答えなさい。また、どのような工程で精選を行うかを答えなさい。(記述式)
一般消費者がミルを選ぶ際のポイントを答えなさい。(記述式)
他にも数多くの問題が出題されたけど、大方こんな感じの出題形式で出てきました。
どの範囲が記述式として出題されるのかわからないので、全範囲通して暗記は必要かなーという印象ですね。
私の場合は実際にコーヒー屋として働いているおかげで、単にテキストを覚えるだけでなく、日々の仕事を通して体感的に理解できたことが、合格点を取れた大きな要因だったかなと、、
そういった意味では、コーヒー業界に勤めていない人は人一倍苦労して勉強しているだろうし、合格している人は尊敬ですね。
あとは、ChatGPTに問題を作ってもらってひたすら解いて教科書見直して、の繰り返しでした。
こんな感じで筆記に関しては数をこなして覚えていけばいいのでそれなりの受講者が通過しているのでは?と勝手に思っているのですが...問題は実技ですね。
実技は講習の際に一通りカッピングや外観判別を行って、余った豆は持ち帰って練習に使えます。
加えて、実技練習用のサンプル豆も購入できます。
「実技はひやひやした。」と先述しましたが、その理由は購入したサンプル豆の焙煎度がバラバラで味が取りずらかったこと。(個人の感想として受け取ってください。)
私の受け取ったサンプルの場合は、特にグアテマラの焙煎度が他と比べてかなり深かった印象です。


ロブスタ2種も相当深いですね笑。
そのために、産地特性を感じとるのが相当難しく、合格した今振り返ればあまり試験合格には役立っていない気がしてます。
というより、私の場合は試験本番で足を引っ張る要因になったなと。
というのも、試験本番でカッピングしたとき、「この豆は酸味が明るいな。サンプル豆で酸味が明るかったのはコロンビアだな。あれ?でも風味はグアテマラだ!でもサンプル豆のグアテマラは焙煎が深めで苦かったしな...。」という状態に陥ったからです。
サンプル豆の焙煎度が不揃いのため、本番での豆の風味と印象が合わず戸惑ってしまいました。(試験本番で出題された豆は、全体通してサンプル豆ほど深い焙煎の豆は一度も出なかったです。)
このようなこともあり、私個人の意見としては購入可能なサンプルはあまり本番の練習にはならないのかなと思います。
単純にカッピング手順の練習だったり外観判別練習を目的として購入するのはありかと思いますが。
可能であれば講習の際のサンプル豆をもらってそれで練習するのが一番いいかなと思います。そちらの方が本番の時に出題されるカッピング豆と同じくらいの焙煎度だった気がするので。
正直、お金を払ってサンプル豆を購入している身からすると「なんだかなー。」という気持ちもなくはないのですが、無事一回の受験で合格したので溜飲は下がってます笑。
と、こんな感じで紆余曲折ありましたが何とか乗り越えた形です。
まぁ、大事なのは合格するよりもこの経験をどう生かすかですね。コーヒーインストラクター資格は国家資格でもなければ特別優遇されるような資格でもないと思うので。
ここまでいろいろと文句を垂れてましたが、いちバリスタとしてコーヒーに関する幅広い知識に触れることができたのは貴重な体験でした。バリスタをやっているだけでは生産地での栽培方法や保管、輸出などに触れる機会がないですからね。
プロとして商品を販売していくうえでは「美味しいコーヒーを淹れる」だけでなく、生産から消費までの一連の事柄を知識として棚に保管しておくことは接客において役立ちそうです。お客さんから鋭い質問をいただくこともあるので大事ですよ、ほんとに。そういったことの積み重ねが常連さん獲得につながったりするからね。
ということで、コーヒーインストラクター1級を受けてみての感想でした。
合格した方々おめでとーございます。
これから受験の人は頑張ってください!
それでは。