コーヒーの成分を余すことなく抽出する。『フレンチプレス』で再現性の高いコーヒーを。

ハンドドリップとは一味違ったコーヒーを楽しむことができるフレンチプレス。

サードウェーブコーヒーのムーブメントが来た今、高品質なコーヒーを手に入れやすい環境にあるため、豆本来の風味を楽しむことができるフレンチプレスとの相性はとてもいい。

本記事では、フレンチプレスの特徴から淹れ方、風味を変化させる方法、洗い方まで紹介しています。

Contents

フレンチプレスとは?

フレンチプレスは、別名コーヒープレスとも呼ばれており、その名の通りコーヒーを抽出するための器具です。

日本では紅茶を淹れる器具と認識している人もいますが、もとはコーヒーを淹れるために1930年代にイタリアで開発されました。

構造は非常にシンプルで、お湯を淹れるための耐熱ポットと、「プランジャー」と呼ばれる金属フィルター付きの蓋で構成されています。

同様に抽出方法もシンプルで、コーヒー粉とお湯をポットに入れて、時間がきたらプランジャーを押し込んで、コーヒーを濾すことで抽出するという仕組みです。

フレンチプレスの特徴

フレンチプレスの特徴は大きく2つです。

1つ目は、抽出する人の腕に関係なく、いつでも安定した味を再現できること。

すでに説明した通り、抽出方法が非常にシンプルです。

そのため、以下の条件を一定に保って抽出すれば、失敗することなく何度でも同じ味を再現することも簡単です。

  • コーヒー粉の量・メッシュ(粉の粒度)
  • お湯の量・温度
  • 抽出時間

ハンドドリップでは上記の条件を揃えたとしても、淹れ方によってコーヒーの風味が変わるので、ハンドドリップにはないメリットです。

2つ目の特徴は、コーヒーの油脂分を通すこと。

フレンチプレスは金属フィルターなので、ハンドドリップで用いるペーパーフィルターでは濾しとってしまう油脂分を通します。

つまり、コーヒーの成分を余すことなく抽出できるのです。

なので、豆本来の風味を感じられる、ドリップとは一味違ったトロっとした口触りのコーヒーを楽しむことができます。

もちろんメリットだけではありませんので、以下に簡単にメリット・デメリットをまとめました。

メリット

  • 一定時間放置すれば完成する簡単な抽出方法
  • 条件を揃えれば、失敗することなく何度でも同じ味を再現可能
  • コーヒーの成分を余すことなく抽出できるので、コーヒー本来の風味を味わうことができる

デメリット

  • コーヒーの成分を余すことなく抽出できるメリットがある一方、豆の品質が悪いと風味に如実に表れる
  • 微粉(細かいコーヒー粉)がカップに混じるため、粉っぽさを感じることがある
  • お手入れが面倒

私のレシピ

準備する器具

1.お湯を入れてフレンチプレスとカップを温める

2. 粗挽きのコーヒー粉15gを入れる

3. お湯を入れてタイマースタート。まずは粉全体にお湯をかけて30秒蒸らす。

4. 蒸らし終わったら目的量の280mlまでお湯を注いで、蒸らし時間と合わせて4分経つまで待つ

5. 4分経ったらプランジャーをゆっくり押し下げる。

6. カップに注いで抽出完了。すべて注ぎきらないこと。

自分好みに味を変化させる方法

コーヒーの味わいを変化させる方法は以下の通りです。

すべて変える必要はなく、一つの条件を変えるだけでも十分に味わいを変化させることができます。

取り組みやすいものからぜひ試してみてください。

  • メッシュ
  • お湯の温度
  • 抽出時間

それぞれの条件が、どうしてコーヒーの味わいを変化させるのか説明していきます。

メッシュ

味の濃淡は、メッシュ(コーヒー豆の粒度)に大きく左右されます。

なぜなら、メッシュによって、コーヒー粉がお湯と触れる面積が変わるからです。

メッシュが細かいほどお湯と触れる面積が増えるため、抽出される成分が増え、苦みの効いた味わいになりやすくなります。

メッシュが粗いほどお湯と触れる面積が少ないため、苦みや雑味が溶け出しにくくなり、酸味を感じられる味わいになりやすいです。

味わいを濃く、苦みのあるコーヒーを抽出したければメッシュを細かく、苦みを抑えて酸味のあるコーヒーを抽出したければメッシュを粗くしてみましょう。

フレンチプレスは粗挽きで淹れることを推奨されています。細かくしすぎると、カップに微粉が多く混入してしまい、口当たりが悪くなるので注意してください。

お湯の温度

コーヒーの酸味成分は温度が低くても比較的抽出されます。

反対に、コーヒーに含まれる苦み成分は温度が低いとなかなか抽出されないという特徴があります。

つまり、お湯の温度が高いほどコーヒーに含まれるあらゆる成分が抽出されるということです。

コーヒーを飲んでみて、酸味を強く感じたり、ボディ感が足りないと感じたらお湯の温度を上げて抽出してみてください。

また、コーヒーの苦みが強すぎる場合は、お湯の温度を下げて苦味の抽出を抑えましょう。

お湯の温度が高いほど、コーヒーに含まれる成分が良く抽出されるということは、よい成分だけでなく雑味成分もよく抽出されることを意味します。特に、品質の劣化した豆の場合は注意してください。

抽出時間

抽出時間とは、コーヒー粉とお湯が触れている時間の長さのことを指します。

抽出時間とコーヒーの味わいの変化は密接に関係しており、その理由はコーヒー成分の特徴にあります。

コーヒーの成分は、酸味成分が先に溶け出し、苦み成分が後に溶け出すという性質があります。

そのため、抽出時間が短いほど酸味強め、苦み少なめのクリアな味わいに、長いほど酸味少なめ、苦み強めなボディのある味わいになります。

コーヒーを飲んでみて酸味が物足りなければ抽出時間を短く、苦みが欲しければ抽出時間を長くしてみましょう。

抽出時間が長くなるほど、次第にえぐ味・雑味も溶け出していきます。抽出時間を長くしすぎないよう注意してください。

お手入れ方法

1. コーヒー粉を取り除く

2. 食器用洗剤と水を入れてプランジャーを軽く上下する

3. 水を入れ替えて、再度プランジャーを上下する

4. プランジャー部分を分解してきれいにする(隙間に入り込んだ粉をきれいにするため)

5. 乾燥させる

まとめ

コーヒー豆本来の風味を楽しむことができるフレンチプレス。

つまり、豆の品質の善し悪しがフレンチプレスで淹れるコーヒーの風味を決定づける。

サードウェーブコーヒーのムーブメントが来た今、高品質なコーヒー豆を手に入れやすい環境になりました。

ぜひ、高品質なコーヒー豆を購入して、フレンチプレスで豆本来の風味を楽しんでください。

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