

Coffee Tools – 周辺器具 | 2025.04.17
【レビュー】抽出サポート機能搭載のコーヒースケール『HARIO POLARIS』
HARIOから2024年の夏ごろに新たなスケール「Polaris(ポラリス)」が発売されていた。
私自身はここ数年、タイムモアのスケールにお世話になっていて特に買い替えを検討していたわけではなかったんだけど、職場で使用する機会があったのでせっかくなので紹介を。
昨今のコーヒースケールは、0.1g単位で計量できることやカウントアップタイマー機能はあたりまえに搭載されている。
今回紹介するポラリスにももちろん搭載。
違いといえば、デザイン性やその他機能の充実度だろうか。
抽出の再現性を高めてくれるうれしい機能が搭載されている。
そのあたりをチェックしながら紹介していきます。
ハリオの新作コーヒースケール – Coffee Scale POLARIS –
さっそく外観から。
カラーはブラックとホワイトの2色展開で、今回の記事ではブラックを紹介します。



最近のコーヒースケールはUSB充電式が一般化している気がするけど、ポラリスは単三型乾電池3本で駆動。主電源はなし。
音のon/offは裏面のボタンで操作できます。
サイズ感は大きすぎず小さすぎず、一般に流通しているスケールと大差ないかと。
参考程度にタイムモアスケールと並べてどうぞ。

ちなみに価格帯もタイムモアと同水準なので、1万円弱でコーヒースケールを探すときはポラリスと合わせてチェックするといいかも。体感的には若干タイムモアの方が感度はいい気がしてます。気にするほどではないけどね。
搭載機能「ポラリスモード」とボタン操作ついて
ボタンは全部で4つ。各ボタンを長押ししたり数回押すことでモード変更や数値の切り替えを行う仕様。
各ボタンの機能をまとめていきます。


このあたりは実際に使っていくことで慣れると思います。
それでは、突然登場した「モード」とはなにかを説明していきます。それと、たくさん表示される数字についても一緒に説明を。
ポラリススケールには「ポラリスモード」と「クラシックモード」の2種類が搭載されている。
ポラリスモードは、下の写真のように5つのセクターに分かれて表示されるモード。

①比率
比率はコーヒーの濃度に大きく影響する要素。コーヒーの粉量を「1」としたときお湯をどれくらい注ぐのか、ということを表している。例えば、1:10に設定したなら粉1gに対してお湯10g注ぐことになる。比率は右側の数字(お湯の量の割合)が大きくなるほどコーヒーの濃度は薄くなる。自分好みの濃度を見つけるのに非常に役立つ。
②パーセント
③総湯量の数字を100%としたとき、現在注いでいる量は何パーセントに当たるのか、つまりは抽出の進行状況を可視化してくれる。例えば、③総湯量が「200」と表示されていたなら、20gお湯を注いだ時②パーセントは「10%」と表示されるし200gお湯を注ぎ切ったなら「100%」と表示される。
4回に分けて注湯するなら25%×4回、5回に分けて注湯するなら20%×5回など、可視化されたことで湯量調整がしやすくなっている。
③総湯量
①比率を設定し、コーヒー粉をセットすると注ぐべき湯量を自動で算出してくれる。例えば比率を1:10に設定し、15gのコーヒー粉をセットすると③総湯量は自動算出で「150」と表示される。つまり、③総湯量に表示された数字に従ってお湯を注げば設定した比率通りに抽出できる。
④カウントアップタイマー
お湯を注ぎ始めてからの時間を計測するための機能。計測にはオートタイマー(重量を感知するとタイマー自動スタート)とマニュアルタイマー(ボタンを押すことでタイマースタート)がある。
⑤重量
重さが表示される。③総湯量に重さが達すると音を鳴らして合図してくれる。
表示される数字が多くて慣れない内はややこしく感じるけど、自分好みの濃度(比率)を一度見つけられると、あとは粉をセットするだけで自動でお湯を何グラム注げばいいのか表示してくれるから美味しいコーヒーを淹れるハードルを下げてくれると思う。あと、中途半端に残ってしまったコーヒー豆を抽出するときとか役立ちそう。「いつもは15gで淹れてるけど、コーヒー豆があと12gしか残ってない。お湯はどれくらい注げばいいんだ?」みたいなときとか役立ちそうな気がしてる。
クラシックモードにすると表示は以下のようになる。

左側に④カウントアップタイマー、右側に⑤重量の表示でシンプルなビジュアルに。
モードの切り替えは「time mode」ボタンを長押しで変えられるからお好きな方で。
実際に使ってみる
あれこれ書き連ねたけど、実際に使っているのを見る方がわかりやすいと思うのでさっそくコーヒーを抽出してみます。
と、その前に事前に設定すべきことが一つ。
地域設定を行います。(地域によって重量値に差があるため、その誤差を修正するため)
日本で扱う場合はG1-G4のどれかになるはず。付属の取扱説明書に従ってはじめに設定してください。
それではコーヒーを抽出していきます。

「ON/OFF tare」ボタンを押して電源を入れる。このとき上記の写真のように比率やパーセントが表示されていればポラリスモード。クラシックモードを使用する場合は「TIME MODE」ボタンを長押ししてください。
今回はポラリスモードで抽出していきます。(この時点で豆を計量して挽いてます)

コーヒー粉以外のものをセットして「on/off tare」ボタンで重さをリセット。

粉を入れた後、「+」「-」ボタンを利用して比率を設定します。(0.5刻み)
長押しすれば自動で数値が増加(減少)します。地味にうれしい機能です。
そして比率に応じて③総湯量が自動算出。

「time mode」ボタンを押して比率設定を確定。同時に②パーセントが表示されてタイマーが点滅。
この状態でお湯を注ぐと重さを感知して自動でタイマーがスタートします。
ちなみに、タイマー点滅状態で「time mode」ボタンを押すとマニュアルタイマーに変更されます。
抽出を開始すると、注いだ量に応じてパーセントの数値も変化する。
③総湯量を目安に抽出していき、達すると「ピッ」と音が鳴る抽出終了の合図があります。
タイマーやパーセントをチェックしながらお好きなように抽出を。


抽出完了後にボタンを押すと表示が固定される。
そして再び「time mode」もしくは「on/off tare」ボタンを押すと比率設定時点に戻ります。
ポラリスモードはこんな感じで使っていくことになります。
クラシックモードの場合はもっとシンプルで、カウントアップタイマーを作動させて抽出していくだけ。
比率の設定と抽出過程の可視化によって、美味しいコーヒー抽出のサポートをしてくれるし、レシピの組み立てのハードルも下げてくれる気がする。
特に比率はコーヒーの濃度に大きく影響するところだから、おうちコーヒーのクオリティを上げてくれることは間違いない。
1万円弱の価格帯でコーヒースケールを探している人はぜひチェックしてほしい。
それでは!