

Coffee Tools – 抽出器具 | 2025.05.05
【レビュー】美味しいコーヒーを身近に。1投式ドリッパー『SIMPLIFY the Brewer』
「美味しくないコーヒーには意味がない。美味しくコーヒーを淹れられない器具にも意味はない。」
そういったコンセプトから生まれたのが「SIMPLIFY the Brewer(シンプリファイ ザ ブリューワー)」。
一風変わったシルエットには、コーヒーを美味しく、そして簡単に淹れるための工夫が詰まっている。
特徴はもちろん、公式推奨レシピと私が普段利用するアイスコーヒーのレシピも紹介。
ぜひみてってね。
外観と特徴


少々変わったシルエットのドリッパー「SIMPLIFY the Brewer」。
数年コーヒー屋として働いているけど、このシルエットは初見ではコーヒードリッパーだとは思えない。少なくとも私はなんの道具かわからなかった。
この形状には意味があって、美味しいコーヒーを淹れるための工夫が落とし込まれている。
まずは底から。
平底にある40mmほどの大きな穴が特徴。つまりお湯抜けはけっこう速そうなイメージ。
そしてポツリと6つ真ん丸の突起がついていて、これにも理由が。




この突起があることで、写真のようにペーパーフィルター底面にゆがみができる。これにより水に動きが生まれて抽出が促されるとのこと。
続いてドリッパー外側の下部。

3つ足がついていて、サーバーにドリッパーをセットした際に隙間が生まれる。
空気の通り道が出来ることで、お湯抜けをよくする役割がある。
ちなみに、これと同じような工夫をして作られているものが「April Glass Brewer」。
こちらのドリッパーも「不要な湯だまりを防ぐ」という目的で空気抜けをよくするデザインになってます。

抽出時間が無駄に長くなると雑味出てしまう。しかし、お湯抜けをよくすることで淹れ手のコントロール次第で抽出時間を短くすることも長くすることもできる。
ペーパーフィルターをセットするとわかることが2つ。

1つ目はペーパーとドリッパーの接点が少ないように設計されていること。
これもお湯抜けを良くするための工夫の一つ。
ちなみに、使用するフィルターはカリタウェーブ185。最近は、他のメーカーからも似た形状のフィルターが出てるからそっち使ってもいいかもだけど、手に入りやすいのはカリタかな。
もう1つはこれ。

ペーパーをセットしたとき、上部がフタをされる形となってダブルウォール構造のようになる。
ドリッパー内の温度を下がりにくくして抽出を促進する効果があるとのこと。
とはいっても、ウェーブ状だから隙間がたくさんあってどれほど効果が見込めるのか、正直なところ私にはわからない。
SIMPLIFY the Brewerの特徴は、ザっとこんな感じかな。
お湯抜けが速いように設計しつつ、未抽出にならないように抽出効率を上げるための工夫がされたドリッパー。
プラスチック素材で出来ているから、扱いやすいのも個人的にはうれしいポイント。
実際に淹れてみる
推奨レシピがあるから淹れてみる。
ポイントは「1投式」と「粒度は極細挽き」の2つかな。

コーヒー豆 | 15g |
お湯 | 230g |
お湯(リンス用) | 適量 |
使用する豆は中煎りのコロンビアを。

リンスはしてもしなくてもいいそう。私はカリタのペーパーフィルターのにおいが苦手なのでする派です。それと、あらかじめペーパーの位置をしっかりと固定したいという理由もある。

今回はdittingのLAB SWEETで#3.5のクリック数で抽出します。

円を描くように注ぐ必要なし。1分から1分30秒ほどで抽出完了するのが目安。85℃で淹れてます。

まさにコンセプト通りの「美味しいコーヒーを日常の一部に。」を体現する簡単さ。
と、こんな感じで抽出する。
何秒で何グラム注ぐのか、円を描くように注ぐのか中心に注ぐのか、などを考える必要なしのシンプルなレシピ。
誰でも簡単に高得点を叩き出せる優秀なドリッパーだと思う。
まぁ、小難しいレシピを考えて抽出するほうがプロっぽさが出たり風味の強弱やトーンを細かく変えれて楽しいと思う人もいる。それが自分自身でコーヒーを淹れることの特権でもあるし。
100点に限りなく近い点数を目指したい人は、他の自由度の高いドリッパーを選ぶ方が抽出工程を楽しめると思う。
急冷式アイスコーヒーを淹れてみる
おまけとして、急冷式の淹れ方も紹介。
SIMPLIFY the Brewerの推奨レシピに則って、1投式で淹れてみました。

コーヒー豆 | 16.5g |
お湯 | 150g |
氷 | 適量 |
ペーパーのリンスを行う場合は事前に行っておいてください。
dettingで#3.0で挽きます。
40秒ほどで注ぎ切る。蒸らしなし!
1:30ほどで落ちきって完成。
注ぎ方や使用するグラインダーでも風味の出方は変わるだろうから色々と試してみてください。
それでは!