コーヒーにまつわるテーマを発信する雑誌「STANDART」を読んでいて目に留まったのが「メソッド50」というコーヒーの抽出レシピ。
このレシピ「メソッド50」は、奇跡の一杯を淹れるための複雑で技術が必要なレシピではなく、毎日のコーヒーを安定してベストに近い一杯にするためのシンプルかつ覚えやすいレシピとして考案されたもの。
美味しいコーヒーを飲みたいけど、寝起きであれこれ考えながら淹れるのは大変、なんて思う私にピッタリのレシピなのでは?
ということで、実際に「メソッド50」でコーヒーを抽出してみる。
用意する器具
- 平底ドリッパー(エイプリルブリュワー、カリタウェーブ、オレアなど)
- マグカップ
- ケトル
- コーヒースケール
- タイマー (スケールにタイマー機能があれば不要)
- コーヒーミル
「メソッド50」で使用するドリッパーは、エイプリルブリュワーがおすすめされている。
そのほか、カリタウェーブやオレアといった平底ドリッパーにも対応しているのでお持ちのドリッパーで試してほしい。
「メソッド50」で実際に抽出してみる
これから「メソッド50」を紹介していくんだけど、留意してほしいことがある。
このレシピは5回に分けてお湯を注ぐものなんだけど、雑誌「STANDART」には3投目以降の注ぎ始めの時間が記載されていなかった。
だから、これから紹介するレシピの3投目以降の注ぎ始めの時間は目安として使って欲しい。
私自身もコーヒーを抽出しながら、お湯の抜ける速度を見て注ぎ始めるようにしている。
それほど神経質に考えるのではなく、「だいだいこれくらいかな」といったような感覚で注ぎ始める。
コーヒー豆の種類によってお湯が抜ける速度は変わってくるから難しいところなんだけどね。
コーヒー豆 | 15g |
お湯 | 250ml |
挽き目は中粗挽きで用意。
細かい調整に関しては、実際に淹れてみてどれくらいの時間でコーヒーが落ちるかを見て調整すればいいので最初は大雑把に。
お湯の温度の理想は96℃。
温度設定機能付きのケトルがあれば便利だけど、ないなら沸騰したお湯を2-3分くらい置いておけばいいかな。
ここまで出来たら、スケールにマグカップとドリッパーをセット。
ペーパーフィルターにお湯を注ぐ。
ペーパーフィルターの紙臭さを取り除くとともにサーバーを温める。
私自身ペーパーに紙臭さは特に感じたことがないんだけど、とりあえずレシピ通りに従ってる。
マグカップのお湯を捨てて粉をドリッパーにセット。
スケールをゼロにして準備完了。
*注ぎ始めのタイムはお湯抜けの速さに応じて調整する。今回は深煎りを淹れたんだけど、だいたいの目安タイムを記載してる。参考程度に留めてほしい。
抽出時間が長く・短くなる場合は?
抽出時間が長くなると雑味成分が出てしまうし、短すぎると抽出不足で酸味の強調されたアンバランスな味や濃度の薄いコーヒーになる。
だから、適切な時間でコーヒーを抽出するのは美味しいコーヒーを淹れるために重要な要素になっている。
もし「メソッド50」を試してみて02:50よりも抽出時間が長くなったなら豆の挽き目を粗くする。
反対に短すぎる場合は挽き目を細かくすることで抽出時間をコントロールすることができる。
挽き目を調整しながら「メソッド50」のベストな挽き目を探ってみてほしい。
アレンジは自由に
レシピ通りに淹れてみたけど味が気に入らない、なんてこともあると思う。
好みは人それぞれあるし、焙煎度によって風味の出やすさも違うかもしれない。
そんな時は、レシピに固執せずにアレンジしてみてほしい。
「メソッド50」を基本にして、挽き目を変えてみるとかお湯の温度を変えてみるとか。
色々アレンジして試してみると、どこをどう変えればコーヒーの風味が変えられるのかがわかって応用の幅が広がる。
コーヒーの風味をコントロールできるようになってハンドドリップが楽しくなると思う。
私の場合は「挽き目」を変えることで味の調整をしてる。
挽き目を変えるだけならミルを少しいじるだけで手間がかからない。
「朝にあれこれ考えたくない」という思いでこのレシピに手を出した私に合ってる。
それと1つだけルールを設けているんだけど、それが「このレシピで浅煎り豆は抽出しない」ということ。
というのも、中煎りや深煎りを抽出するのと同じ感覚で浅煎りを抽出しようとすると抽出時間が02:50どころか07:00を経過してもドリッパーにお湯が残っている状態になった経験がある。(浅煎りはお湯抜けが悪い場合がある)
こうなると、挽き目の微調整程度では解決できる気がしないし、高性能なグラインダーが必要とか微粉を取り除く工程を追加するとか、抜けが速いペーパーを購入するとか色々な調整が必要になりそう。
そこまですると私がこのレシピに興味を持った理由である「朝まであれこれ考えたくない。だけど美味しいコーヒーを飲みたい」というのに反する。
「どこまで突き詰めるのか、どこまで妥協するのか」は各々の判断で自由にアレンジしてコーヒーを楽しんでほしい。
最後に
私が自宅でコーヒーを淹れるときは、「複雑なレシピに頻繁に目を通して、ベストなコーヒーを抽出したい」というよりも「ベストとまではいかなくても簡単な手順で美味しいコーヒーを抽出したい」という思いが強い。
特に朝なんかは簡単であればあるほどうれしいと思ってる。
そんな私だから、「50秒の蒸らし」「50mlを5回注ぐ」「02:50で完成」というシンプルで覚えやすいレシピは気に入っている。
平底ドリッパーでレシピに悩んでいる人はぜひ試してみて。
それでは。