『検証』コーヒー抽出時の粉の量と濃度の関係

コーヒーを自宅で淹れるようになって数年、当たり前のようにコーヒー豆の分量をスケールで量るようになった。

それは、「美味しいコーヒーを淹れたい」とか「再現性のあるコーヒーを淹れたい」、「数値で確認して自分好みなレシピを作りたい」とか理由はざまざま。

そんな私でも、最初はドリッパーに付属していたプラスチックのメジャースプーンを使っていた。

サッと掬えて手間要らず、便利なんだけど実はメジャースプーンで分量してコーヒーを淹れると味が安定しないことが多々ある。

ということで今回の記事では、メジャースプーンではなくスケールをおすすめする理由について紹介する。

濃度計を用いて、コーヒーの分量によって出来上がりのコーヒーの濃度にどれくらい違いがあるのかも検証するから気になった方はぜひみてほしい。

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コーヒー豆の分量で風味は大きく変わる

正直なところ、味にこだわらないなら器具さえあれば誰でもコーヒーを淹れることができる。

粉にお湯をかけるだけだから。

ただし、「美味しいコーヒーが飲みたい」とか「再現性のある安定したコーヒーを淹れたい」と思うのなら話は別。

というのも、「粉の量」は美味しいコーヒーを淹れる上で重要な要因になっている。

例えば、私はハンドドリップでコーヒーを淹れるときに一杯分で14gの豆を使用するんだけど、もし1g増えれば7%、2g増えれば14%も豆の量が増えることになる。

つまりは数グラム使用する量が変わるだけで出来上がりのコーヒーの風味は大きく変わることを意味する。

だから、正確に豆を計量することが美味しいコーヒーを淹れるための助けになる。

メジャースプーンではなくスケールをオススメする理由

メジャースプーンではなくスケールをおすすめする理由は、メジャースプーンでは正確にコーヒー豆の重さを量ることができないから。

というのも、コーヒー豆は種類や焙煎度によって体積が同じでも重さが異なる。

浅煎りなら密度が高くて重い、深煎りは逆に密度が低くなる。

浅煎り豆と深煎り豆を一杯分、同じメジャースプーンで掬っても重さが違うということになる。

だから、メジャースプーンではなくスケールで計量することをおすすめする。

それに、スケールであれば「注ぐお湯の量」も確認できる。

注ぐお湯の量によってコーヒーの濃度にブレが出るから味のコントロールがしたいならやっぱりスケールは必要。

欲を言えばコーヒースケールをおすすめしたい。

というもの、コーヒースケールには重さのほかに時間を測れる機能もついている。

ものによっては重さを検知したら自動でタイマーがスタートするものもあるし、Bluetooth接続でどのくらいの時間にどれくらいのお湯を注いだのかを測れる機能を備えたものまで存在する。

「時間」も「粉の量」と同じようにコーヒーの風味に影響を与える大事な要因だから美味しいコーヒーを追求するならメジャースプーンではなくコーヒースケールをオススメしたい。

粉の量と濃度の実験

粉の量の違いで出来上がりのコーヒーの濃度にどれくらい違いが出るのかを濃度計を用いて検証してみる。

とはいえ、コーヒーの味を左右する要因は「粉の量」のほかにも、「お湯の温度」や「抽出時間」、「挽き目」など数多く存在する。

できる限り「粉の量」の違い以外の要因で濃度にブレを出さないために以下の条件で検証する。

実験条件

固定する要因

  • 使用する豆|グアテマラ(中深煎り)
  • メッシュ |Cores c330 6メモリ
  • 抽出時間 |4分
  • 湯量   |220 g
  • 湯温   |95℃
  • 使用する水|水道水
  • 濃度計  |ATAGO PAL-COFFEE(TDS)
  • 抽出方法 |フレンチプレス

変化させる要因

  • 粉の量  | 8g・10g・12g・14g

ハンドドリップに比べて淹れ手の技術で味に差が出ないフレンチプレスを使って検証する。

それと、できるだけ正確に濃度を計測するためにフレンチプレスで抽出後にペーパーを介して微粉を取り除く。

濃度計の温度機能17.5 ℃時点での濃度を記録する。

続いて抽出レシピ。

STEP
お湯を入れてフレンチプレスを温める
STEP
粉を入れて100gのお湯を注ぐ
STEP
フレンチプレスを揺らして粉全体がお湯に触れるようにする
STEP
注ぎ始めてから30秒経過したら、お湯120g注ぐ
STEP
注ぎ始めてから4分経過したらプランジャーを押し下げる
STEP
抽出液をペーパーフィルターに注いで微粉を取り除く

結果は以下の通り。

当たり前だけど、粉の量が多いほどコーヒーの濃度は高くなった。

  • 8 g・10 gで抽出したコーヒー
    • 風味が薄くて香り・味ともに物足りない感じ。
  • 12 gで抽出したコーヒー
    • スッキリした印象なんだけど、豆の持つ風味はまだ出し切れてないかなという印象を持った。アメリカンに近い感じかな。
  • 14 gで抽出したコーヒー
    • ほどよいボディが感じられ、酸味と苦味が調和している印象。

こんな感じでたった数グラムの差がコーヒーの風味に大きな影響を与える。

実際に飲んでみて実感しているし、濃度計の数値にも表れている。

なので、「美味しいコーヒーを淹れたい」とか「自分好みなレシピを構築したい」と思う人はぜひスケールを用いてコーヒを淹れて欲しい。

それに、本やネットでコーヒーのレシピを探すと「コーヒースケールありき」のレシピが数多く紹介されている。

そういった意味でもスケールがあるとコーヒー抽出の世界がグッと広がる。

最後に

ここまで読んでくれた人なら気づいているかもしれないけど、コーヒーを美味しく淹れる第一歩は、「量る(計る)」ことだと思ってる。

「使用するコーヒー豆の量」や「抽出に要する時間」、「どれくらいお湯を注ぐのか」など、重さと時間はコーヒーの美味しさと密接に関わってる。

だから、美味しいコーヒーを淹れたいと思うならぜひコーヒースケールを使用して欲しい。

そうして少しずつ自分好みなコーヒーの淹れ方、レシピを構築してコーヒーの時間を楽しんでほしい。

それでは。

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